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バリがおしえてくれるもの
寺田直子プロフィール
トラベルジャーナリスト。年間150日は海外ホテル暮らし。訪れた国は60ヶ国ほど。バリを中心にアジア各国の文化、リゾートライフに精通するアジアの達人でもある。プロデュース、編集した書籍に「わがまま歩きバリ ボロブドゥール」(実業之日本社)、「インドシナの珠玉」(新潮社)などがある。大手ポータルサイト・エキサイトの公式ブログ「ハッピー・トラベルデイズ」でも各国からの旅だよりを発信する。
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コラム > バリが教えてくれるもの > Vol.10
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Vol.10
バリを愛する、すべての人へ

from バリ


今、バリから東京へ向かうガルーダ航空の機内でこの原稿を書いています。
わずか2泊のバリ滞在。その理由は3年前のテロ爆破事件の追悼セレモニーに参加するため。二度目のテロによる爆破で再び犠牲者が出たばかりのバリで、この美しい島を愛する人たちと共に過ごし、祈りたかったから。
当日は、雨季に入ったバリでは珍しく晴天。夕方から行われたセレモニーにはバリニーズ、観光客など大勢の人が集まり、平和を望む気持ちに国籍、年齢、性別は関係ないことをあらためて実感。ヒンドゥーの唱歌、中国式ドラゴンダンスなどもまじえおごそかで温かく、しかし熱いメッセージを心に灯しながら共有した時間は私にとってかけがえのない想いを与えてくれた。
それは、人の気持ちは暴力では動かせない、ということ。世界を変えるのはすべてを受けとめる思いやりと愛だけ。セレモニーが行われていた間、バリほど切実に平和を望んでいた場所はなかったはずだ。
ハリケーンや津波、そして地震と、世界中は哀しみに満ちている。でも、天災と人災はまったく異なる。自然の驚異のもとでは我々は真摯になるべきだが、テロに対しては絶対的に立ち向かうべきだ。しかし、それは暴力によるものではない。
人の心を変えるのは愛だけ。それをどうか、忘れないでほしい。

 
2005年11月号より
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