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バリがおしえてくれるもの
寺田直子プロフィール
トラベルジャーナリスト。年間150日は海外ホテル暮らし。訪れた国は60ヶ国ほど。バリを中心にアジア各国の文化、リゾートライフに精通するアジアの達人でもある。プロデュース、編集した書籍に「わがまま歩きバリ ボロブドゥール」(実業之日本社)、「インドシナの珠玉」(新潮社)などがある。大手ポータルサイト・エキサイトの公式ブログ「ハッピー・トラベルデイズ」でも各国からの旅だよりを発信する。
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コラム > バリが教えてくれるもの > Vol.11
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Vol.11
ささやかだけれど、役にたつこと

from スリランカ


昨年の12月26日、スマトラ沖地震による津波は、アジアの各地に大きな傷跡をもたらした。その中でも被害が甚大だった国のひとつがスリランカ。島の2/3ちかくの海岸線にかつてない規模の津波が襲いかかり多くの犠牲者が出た。津波から10ヶ月後、前回からはおよそ1年ぶりのスリランカへの旅は予想以上にそのダメージをわたしに感じさせた。道路、鉄道は再開しているものの、車で走っていると多くの崩壊した家、地元の人たちが生活するテントが並ぶ。でも、そこで暮らす人たちは明るくたくましい。あきらかに海外からの訪問客とわかる我々に向かって真っ白な歯をかがやかせて笑い、大きく手をふってくれる。子供も、大人も老人も。わたしはこの、彼らの笑顔が大好きだ。これはバリニーズも同じ。3年前、そして今回のテロの後、観光客は激減し生活がきびしい時期。「しょうがないさぁ、生きていかなきゃ。でも、こんな時に来てくれて、ありがとね〜」と笑ってくれたバリニーズ。今回のタイトル「ささやかだけれど、役にたつこと」。これは、わたしの好きな作家レイモンド・カーヴァーの小説の題名。訳は村上春樹。どんなに苦しくても笑顔は忘れちゃだめ。泣いてもいい。でも、笑うことは忘れないで。それがどんなに人の心を温かくし、元気づけてくれるか。笑顔は、ささやかだけれど、とても役にたつ大切なものだよ。

子供 子供2
   
2005年12月号より
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