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バリがおしえてくれるもの
寺田直子プロフィール
トラベルジャーナリスト。年間150日は海外ホテル暮らし。訪れた国は60ヶ国ほど。バリを中心にアジア各国の文化、リゾートライフに精通するアジアの達人でもある。プロデュース、編集した書籍に「わがまま歩きバリ ボロブドゥール」(実業之日本社)、「インドシナの珠玉」(新潮社)などがある。大手ポータルサイト・エキサイトの公式ブログ「ハッピー・トラベルデイズ」でも各国からの旅だよりを発信する。
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コラム > バリが教えてくれるもの > Vol.17
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バリの風景  

Vol.17
街の景観、バリの風景

from 北京

 中国、それも大都市の急激な変貌には本当に驚く。なかでも北京。2008年のオリンピックを前にあらゆる場所が建設ラッシュ。道路も拡張し整備され空港からの鉄道も開通する。5つ星ホテルも現在は30数軒だけれどオリンピックまでに50軒に増えるのだとか。すごい・・・・。
 でも、そのために胡同(フートン)と呼ばれる古い家々が並ぶ昔からの場所がすっかりなくなってしまったのがとても残念だ。新しいホテルやショッピングセンター、高層ビルが増えて便利にはなったのだろうが、情緒あふれる個性的な街の景観は確実に失われてしまった。
 バリ島の景観の変化もやはりすごいものがある。スミニャックやクロボカンの田園地帯は埋め立てられ次々に新しいヴィラが誕生しているし、ウブドの美しい渓谷を切り開いた隠れ家リゾートも多い。新しい宿泊施設や観光要素が増えることは嬉しいことだけれど、バリ島が本来持っている美しい風景、空間がなくなってしまうのは悲しい。
 バリに初めて行った時、いい感じにゆる〜い島時間に癒やされたことを思い出す。稲穂が風にゆらぎ、水牛がのんびりと草を食べる田園風景、突然のスコールが過ぎ去った後、生命力にあふれみずみずしく輝く渓谷の熱帯雨林。心に染みいるのは大都会にはない豊かな自然や温かい人とのふれあいだ。
 身近にあるとわかりにくいけれど、なくなって初めて気づく大切なものがある。バリを訪れる観光客の多くは、その大切なものを見つけにくることを忘れないでいてほしい。

ギャニャール  
   
 
2006年11・12月号より
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