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バリがおしえてくれるもの
寺田直子プロフィール
トラベルジャーナリスト。年間150日は海外ホテル暮らし。訪れた国は60ヶ国ほど。バリを中心にアジア各国の文化、リゾートライフに精通するアジアの達人でもある。プロデュース、編集した書籍に「わがまま歩きバリ ボロブドゥール」(実業之日本社)、「インドシナの珠玉」(新潮社)などがある。大手ポータルサイト・エキサイトの公式ブログ「ハッピー・トラベルデイズ」でも各国からの旅だよりを発信する。
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コラム > バリが教えてくれるもの > Vol.21
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Vol.21 アジアン・ビューティー Fromロサンジェルス
 


 カラリとした気候、青い空、高くそびえるパームツリー。まるで映画のような美しい風景が続くカリフォルニア。その中でもロサンジェルスは経済、観光の中心。映画『プリティ・ウーマン』の舞台となったホテルも含め全米でも最高級クラスのホテルがひしめきあっている。
 今回はその中の数軒の取材。エレガントな建築様式、整った施設、セレブやハリウッド関係者の利用が多いこれらのホテルは地元の社交場的存在。滞在中もレストランで食事をしていたら、某大物ハリウッドスターが横を通りすぎていった。

 そんな夢のようなホテルの中で、ひときわ輝いていたのが、フロントにいたアジア系女性スタッフ。高級ホテルとはいえリゾートではないので、ゲストは忙しいエグゼクティブたち。ホテルスタッフもビジネスライクな対応が多い中、彼女の柔らかな物越しとおだやかな笑顔は誰よりも魅力的に見えた。話をしてみたら、なんとインドネシア人だという。ロサンジェルスに来る前はジョクジャカルタのアマンジヲにいたとのこと。な〜るほど。丁寧な仕事ぶり、完璧な英語。さすがアマン仕込み、と納得。

 最高級の「おもてなし」というのは働いているスタッフによってもたらされるものだと確信している。なかでもアジア系のスタッフのきめ細やかなホスピタリティは本当にすばらしいと思っている。「共に支えあい、助け合う」という、バリ流にいえば「バンジャール(相互協力)精神」。我々アジア人が持って生まれたかけがえのない美徳だ。
ロンドン名門ホテルのバトラーのような洗練された仕事ぶりや、ニューヨークの高級ホテルのインターナショナルな対応といったおもてなしの「仕事」は学べば取得できるもの。でも、おもてなしの「心」を学ぶことは難しい。そんなことを彼女の笑顔を見ながら考えていた。
アジア人に生まれてよかった。

バリが教えてくれるもの  
 
 
2007年7・8月号より
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