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バリがおしえてくれるもの
寺田直子プロフィール
トラベルジャーナリスト。年間150日は海外ホテル暮らし。訪れた国は60ヶ国ほど。バリを中心にアジア各国の文化、リゾートライフに精通するアジアの達人でもある。プロデュース、編集した書籍に「わがまま歩きバリ ボロブドゥール」(実業之日本社)、「インドシナの珠玉」(新潮社)などがある。大手ポータルサイト・エキサイトの公式ブログ「ハッピー・トラベルデイズ」でも各国からの旅だよりを発信する。
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コラム > バリが教えてくれるもの > Vol.7
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Vol.7 より、良き世界へ

from ロンドン


5年ぶりのロンドン。2012年のオリンピック開催地に決定し、歓声でわきかえったトラファルガー広場の光景が一転、その翌日に英国史上最大規模の爆弾テロが起こり、世界中に衝撃と悲しみを広げた。
この時期、ロンドンは観光シーズン。市内は多くの観光客であふれ、地下鉄や名物の2階建てバスでの見学を楽しみ、ホテルは満員。そんな中での無差別テロはツーリストの足を遠のかせてしまう。
スマトラ沖の津波などといった天災と異なり、テロは憎むべき人災だ。バリの爆弾テロに象徴されるように、人が傷つき、観光客激減のため市民の生活が圧迫されるだけで、テロリストたちのメッセージは何も伝わらず、何も変わりはしない。いったい、何度、人が傷つけばそれを学ぶのだろうか。
「善」と「悪」は表裏一対だと、教えるのがバリの宗教観だ。バロンダンスを見てもそれがわかる。バロン(善)とランダ(悪)は結局、どちらが勝利することもなく、終わりなき対峙を続ける。
住む環境、宗教などによって考え方は人それぞれ。だからこそ、人間は複雑で美しい存在なのだと思う。そして、バリの人たちはそれをよく知っている。
万物に神々が宿るように、人間もそれぞれに個性を宿す。バリ人たちの生き方のように、それを認め、すべてのモノ、人々をリスペクトするより良き世の中になることを、ただ祈るしかない。

 
2005年8月号より
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