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イ歌謡曲 > Vol.45 ジャムルッド
Jamrud - ジャムルッド -
インドネシア中で知識人からワルンの店員や村青年団のお兄ちゃんまでが聴いている国民的ロックバンド JAMRUD( ジャムルッド ) 。改革の真っ最中のインドネシアで世相の風刺や皮肉を気取らず庶民の言葉で伝えているのが、ファンたちにリアルな開放感を与え、爆発的なヒットを出し続けているインドネシアン・ロック界の大御所。インドネシア共和国独立 57 周年記念日に来日した事もある ( 京都と神戸 ) 。ボーカル:クリスヤントのパワフルで破壊的な濁声と、ギターのアジスのセンスが見事に融合しインドネシアン・ロックの新境地を切り開いた。未だに他のバンドの追従をゆるしていない。
All The Best Slow Hits
All The Best Slow Hits (2003年12月リリース)
 タイトル通りこれ 1 枚で JAMRUD の主なシングルヒットが聴けるお得なベスト盤。 ボーナストラックは新曲 Mengejar Nirwana 。
<ホソルダ・スギアルト>
彼らはサウンド的に世界標準の言葉で組み立てられた音楽センスを持つ数少ないバンドだと言える。彼らの知性は「インドネシアに根付く本当のロック」を作る事に注がれているように思えてならない。安っぽさ、卑猥さ、下世話さ、暴力を繊細かつ緻密に分析しなければ、彼らのようなサウンドは生まれてこないだろう。
  <蓮次郎子>
彼らの男気あふれる骨太なサウンドと言葉が、恋だの涙だのゴメンナサイだのと甘甘な曲が多いインドネシアのミュージックシーンの中でガツンと光っているような気がするのはファンの欲目?ライブこそ彼らの真骨頂。大晦日の年越し野外ライブ中継での演奏は鳥肌がたつ程の迫力でした。男やね?
ディスコグラフィー(ベスト版含む)
Sydney 090102 ←Sydney 090102
(2002年3月リリース)

シングルヒットは Kau & Ibumu, Telat 3 Bulan, Ulang Tahun, Naksir Abis, Hallo Penjahat, Waktuku Mandi など。オーストラシアのシドニーでレコーディング。冒頭の「お前を捨てて逃げた母親なんか待つことはない/父ちゃんが一緒にいるよ」というバラード Kau & Ibumu はボーカルのクリスヤントの好きな曲だそうだ。
Ningrat ←Ningrat
(2001年1月リリース )


200 万枚!を売り上げ、 J amrud をインドネシアのトップバンドに押し上げた大ヒットアルバム。シングルヒットは N ingrat, Pelangi Dimatamu, Surti Tejo, Kabari Aku, Jauh, Asal British, Pasir Putih, Fuck off など。切ないスローナンバーの P elangi Dimatamu は日本人にも好きな人が多い。
The Best Collection ←The Best Collection
(1999年リリース)


N ekad, Putri, Terima kasih からのシングルヒットを集めたベスト盤。初期 Jamrud の集大成。
Terima kasih ←Terima kasih
(1999年1月リリース)


シングルヒットは O tak Kotor, Berakit-rakit, Terima kasih, Dokter Suster など。愛する人への感謝の気持ちをストレートに歌った T erima kasih はインドネシアロックの歴史に残る名曲。
Putri ←Putri
(1997年11月リリース)


シングルヒットは P utri, Maaf など。 P utri は一部に拡声器を使って今どきの若い女性を風刺したメッセージ色の濃い一曲。
Nekad ←Nekad
(1996年10月リリース)


20万枚を売り上げたデビューアルバム。シングルヒットはNekad, Ayam。中国風?の
妙な前奏、ラップもありのNekadは今聞いても新鮮。
最新アルバム評
B.O.18+ Ga Cabul Lagi
B.O.18+ Ga Cabul Lagi ( 2004年11月)

プロデューサー : Log Zhelebour  
制作 : Logiss Record

新しいアルバムを出すたびに売り上げが伸び続けている彼らだが、この新作で Jamrud がロジス・レコードと契約しプロデビューを果たしてから通算 6 枚目 ( ベスト盤は除く ) に当たる。今回はベーシックトラックをバンドゥンの ON Studio で録音し、マスタリングはサウンドエンジニアに Guy Gray 、前回のエンジニア Tony Beben Subarkah を迎えてシドニーの Mitchell Road にある 301 Studio で行っている。

*CD未発売、カセットのみとなっています。
  収録曲ー

(A面)
1. Senandung Raja Singa :ビョーキの詩
2. Anti Sosial :アンチ ソシアル
3. Setan 666 :サタン 666
4. Ga Cabul Lagi :もう××しません
5. Negeri Makmur :繁栄の国
6. Cinta Adalah :愛とは ....
(B面)
1. Anjink :犬
2. Kapten Kris :キャプテン クリス
3. PSK :ペスカ(隠語で娼婦の意味)
4. Etty Payah :困ったエティー
5. Ku Harus Pergi :行かなくちゃ
<ホソルダ・スギアルト>
タイトルは「 BO18+ Ga Cabul Lagi 」で、最近テレビの画面の隅に登場するようになった対象視聴者を示す「 Bimbingan Orangtua( 親が許せば OK) 」の略コード。“お持ち帰り OK の女性”の隠語もまた“ BO ”で、 Ga Cabul Lagi は「ふしだらな事はもうしない」という意味深なタイトル ( 笑 ) 。ジャケットの写真を見ると、「 Ga Cabul Lagi 」と書かれた進入禁止の仕切りを前に手元が怪しい?男の子が傘をさして「 BO18+ 」という JAMRUD のクリップをじっと観ている。収録曲はベースのリッキーが A ・、 B ・を、他は全てリーダーであるアジスが作曲しているが、 2 人の曲を聴き比べてみると JAMRUD 独自のユーモアセンスはアジスのセンスだということが明らかに分かる。
今回もプロモーターでプロデューサー兼マネージャーは Log Zhelebourで、カセットを買って中を見ると 2005 年に行われる全国 50 都市を回るライブ・ツアーの割引クーポン券がオマケとして付いているサービス精神たっぷりの作品になっている。ファン心をくすぐって新作が出るのをまた楽しみにさせてしまうのだろう。
  <蓮次郎子>
性病をテーマにした曲や腐敗政治家を「犬!」呼ばわりした収録曲があり「イスラムの神聖な断食月にヒットしてしまったのでは申し訳ないのであえて発売を延ばした」とライナーノーツにあるが、それも彼ら一流の言い回しでは??と勘ぐってしまうほど、独特の持ち味である人をおちょくった感がさらにグレードアップ。 A ・や B ・のような汚職社会を糾弾するメッセージソングあり、 A ・、 A ・のように思わず「バッカだなあ」と笑ってしまうようなある意味男らしい?ナンバーもありききごたえがある。歌詞がわからなくでもサウンドから彼らの「味」は伝わるのではないだろうか。
曲評
■A1.Senandung Raja singa
<ホソルダ>クロンチョンやムラユーの伝統音楽、ミナンのメロディーをそのままベースにした曲。2年ほど前からインドネシアでは益々ムラユー系のポップスやダンドゥットが流行っているが、これをJAMRUD流に「ムラユが流行ってるならムラユをやってやる、でも普通にはやらないよ」とでも言っているような感じ。歌っている内容は性病でミスマッチのおかしさがたまらない。小学生が替え歌を作ってはしゃいでいるような無邪気さがある。ビデオクリップにも作られ音楽番組で放送中。ちなみにビデオではムラユの衣装に身を包んだヘンテコなメンバーの姿が見られる。

<蓮>スマトラ西部の明るいメロディーと韻を踏む詩の形態を性病を移された男の嘆きにアレンジ。大真面目に「かゆみがとまらない〜」などとバックコーラスが入るのも笑える。
■A2.Anti Sosial
<ホソルダ>軽快な70年代風ナンバー。絶対にこんな事は言わないだろう、という事で「Anti Sosial」なのか、もっと深い意味があるのか分からない曲。

<蓮>「俺とつき合いたいんだって?俺がどんな男かよく考えてみな、ガッカリする前に」退廃的な雰囲気で今までにはなかった感じの一曲。
■A3.Setan 666
<ホソルダ>スパイ大作戦風のリフに乗せて「悪魔はどこにでもいるよ、気をつけな!」と繰り返す曲。

<蓮>2004年はテレビで心霊もの、悪魔ものが流行ったから?
■A4.Ga' Cabul Lagi
<ホソルダ>「ごめんなさい、あんたもキミもお前も、みんな体が目的だったんだ。神様、俺の淫らな考えを正して下さい。今度恋人が出来たら冷蔵庫を包んであったダンボールで体を覆い隠します。」といった懺悔のバラード。でも最後にちゃんとJAMRUD流のオチがついて終わります。

<蓮>「カラダ目当てでしたゴメンナサイ」というスローナンバー。羅列される元彼女たちの名前の中に日本語で「ごめんねケイコ」。笑えました。
■A6.Negeri Makmur
<ホソルダ>Iwa K風ラップを採り入れたリッキーのナンバー。

<蓮>タイトルは「繁栄の国」。自分達だけ繁栄している汚職政治家への怒りに満ちた曲。「神よ彼らを許したまえ、もうたくさんだ、そのうち後悔するがいい」。リッキーお得意のストレートなメッセージソング
■A7.Cinta Adalah
<ホソルダ>愛とはこういうモノかもね。という歌。

<蓮>サウンドスケールの大きさが心地よくてけっこう好き。どういうわけかU2を思い出した。ライブ(しかも野外)で聴きたい。
■B1.Anjink
<ホソルダ>ずる賢くて腐りきって腹を空かしたAnjink(犬)め!汚職の陰で虐げられている庶民の叫びとも言うべきメッセージソング? ツアーで警備に当たる警察官の顔を見るのが楽しみな曲です。

<蓮>立場のある人が、人前では偉そうなお題目ばかりとなえて陰では汚職やら何ら好き勝手やっているインドネシア。言ってやれ!「アンジン!!!」聴いて歌ってスッキリ。
■B2.Kapten Kris
<ホソルダ>ホモのキャプテンの自慢はピストルを傾けるだけ?往年のポリスをパロったサビのアレンジが唐突で笑いを誘う。

<蓮>英雄を称える歌かと思えば「勇敢で逞しいキャプテンクリス」はホモでしたか。ポリスのパロディー?
■B3.Pe S Ka
<ホソルダ>いけない夜のお仕事をしているお姉さんたちを歌ってます。

<蓮>前作のSydney 090102収録のLey Boy(女ったらしのプレイボーイを戒める曲)もたしかリッキー作。今回は「ヒールも高い、鼻も高い、ついでにスカートも高い(短い)」「悪魔も笑い出す」罪作りなお姉さんたちの歌。
■B4.Etty Payah
<ホソルダ>なぜかトーキングヘッズを思い出した。ファンキーでとぼけたパートとJAMRUD節が交互に顔を出すアレンジが面白い。変態エティの相手は怒っています。なぜかというと...書けません。(自分でカセットを買って辞書で翻訳して下さい。)

<蓮>哀れな末路のエティ。それにしてもインドネシア語に罵倒の言葉がこんなにあったのか。
■B5.Ku Harus Pergi
<ホソルダ>美しいカントリー調バラード。切ない歌声、ヘイ・ジュードのパロディっぽいが、「アルバムの最後に耳のうがいをしてね」という爽やかな印象が残る名曲。対比のせいか台風の後の秋晴れという感じでかなり好き。

<蓮>このアルバム唯一の「きれいな」バラード。Leaving on the jet planeのJamrud版か。切なくて◎
■B6ボーナストラック(A-1のカラオケ)
<ホソルダ>インドネシアではカセットのB面が余るとボーナストラックが入る事が多い。「歌詞カードも付いているのでカラオケで歌って下さいな」という事です。

<蓮>おまけのA-1カラオケトラック。さっそく歌ってみましょう。「A〜NU〜KU 〜SA〜KI〜T:ナニが痛い〜」。
2005年2月号より
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