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インドネシア・ポップス
インドネシア・ポップス(I-POPS)の素晴らしさをもっと日本の皆様に知ってもらいたい!!バリ島やインドネシアと聞くとすぐに「ガムラン」「ジェゴグ」などの伝統芸能を思い出しがちですが、こちらの音楽文化はそれだけではありません。「アピ・マガジン」はこちらの若者の間で流行っている「インドネシア・ポップス」にフォーカスし、毎月アーティスト紹介や新譜紹介をしていきます。ぜひバリ島やインドネシアに来たときには、インドネシアのアーティスト達の音楽CDを購入し聴いてみてください。また新しい発見がありますよ。(言葉の勉強になるかも!?)
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ホソルダ・スギアルト
ホソルダ・スギアルト   蓮次郎子 蓮次郎子   キャンディー・甲山 キャンディー・甲山
インドネシア音楽、
特にダンドゥットに傾倒する
アピ編集部・山の親父。
インドネシアのロックと
芸能ゴシップ好きな
アピ編集部・オンチェ命ミーハー主婦。
何を思ったか、インドネシア音楽界で
デビューを目論む中年男
自称音楽デザイナー

インドネシア・ポップス > Vol.50

バックナンバー
PETERPAN(ピーターパン)
インドネシアでは“ピッタルペン”と発音しないとまったく通じないので注意が必要。街中で、ラジオで、テレビで、ピーターパンの曲を耳にしない日はないほど大流行中の超人気バンド。アルバムデビューから2年、ドラマの主題歌「Ada Apa Dengan Mu」の大ヒットを受けて、昨年リリースした2枚目のアルバム「Bintang Di Surga」が爆発的なヒットを記録(公称では売り上げ60万枚だが実際のところは150万枚を軽く越えているはず)、その人気は海外にもファンクラブがあるほど。メンバーは皆バンドゥン出身で、アリエル(Vo)、ウキ(G)、ルクマン(G)、インドラ(B)、レザ(Dr)、アンディカ(Key)の6人。平均年令25才とまだ若々しい。端正な容姿とナイーブな歌声で、絶大な人気を誇るボーカルのアリエルが、ほぼ全楽曲の作詞作曲をしている。精力的にライブ活動もこなし、マレーシア公演、シンガポールでの音学賞出演、24時間6都市公演も成功させている。8月に来日予定、名古屋でコンサートを行う。
ディスコグラフィー
Taman Langit
(2003年リリース)

← 二枚目のアルバムBintang Di Sorgaとの二枚セットも発売中。
VCD KARAOKE Peterpan
(2005年発売)

←ヒット曲のオリジナルビデオクリップに加え、コンサートツアーのドキュメントビデオも収録されている。DVDプレイヤーで再生可能。
 
アルバム評
 
【収録曲】
1. Ada Apa Dengan Mu:君に何があったのか_
2. Mungkin Nanti :たぶん後で
3. Khayalan Tingkat Tinggi:高みへの思い
4. Di Belakanku:僕の背後で
5. Kukatakan Dengan Indah:きれいなことを話すよ
6. 2 DSD
7. Diatas Normal:ノーマル
8. Aku:僕
9. Masa Lalu Tertinggal:置き去りの過去
10.Bintang Di Sorga:天国の星
 
Bintang Di Sorga
(2004年リリース)
<ホソルダ・スギアルト> 
「売れ線リメイク的サウンド+Arielが美形」で飛ぶように売れている。殆どをVocのArielが作曲し、すべて「B面2曲目」的トーンの上がり。サウンド的にはSheila On 7を暗くして、Padiからパワーを取って歌を下手にした感じ。「それじゃ良い所ナシじゃん」と思うけど、実はどっこい「誰でも歌える」という点で実力歌手よりも売れている(笑)。この売り方は日本のアイドル歌手と同じ手法。ところでPeterpanという名前、インドネシア人は恥ずかしくないのか?(郁恵ちゃん元気かな?)
  <蓮次郎子> 
この売れに売れているアルバムは1ヶ月と4日でレコーディングしたのだそうで、スタジオに入ったときはまだ7曲しか出来ていなかったとか。天才美青年アリエルのナイーブそうな歌声と麗しい容姿はきっと日本での引きもバッチリなことでしょう。
  <キャンディー・甲山>
インドネシア人の漂白願望ってとても強いような感じがします。僕から見るとチョコレート色でかっこいいのにな、とか思うんだけど、なぜか色白になりたい人多いですね。そうゆう色白効果謳ったせっけんなんかも人気です。漂白せっけんも二種類の傾向があって、一方は欧米指向(DOVEなど)、もう一方は極東指向(Shinzuiなど)に別れるんですが、これは音楽にも当てはまるようです。さて今回のPeterpanですが、彼らの音は明らかに後者の「中国経由・J-POP」の極東指向という感じがしました。白熱灯ではなく白色蛍光灯のもとで作られた音、あるいはMSG(化学調味料)をたっぷり摂取した体質の音ともいえます。「表現・周波数のダイナミクスを均一化」し、「中間領域(陰影)を四捨五入」したような音処理が施されていますね。これはまさにJ-POPの音そのもの。今までこのコーナーに登場したアーティストの中でも、とりわけ日本人の耳にすんなりなじみそうなPeterpanです。
曲評
■1. Ada Apa Dengan Mu
★ホ:ドラマの主題歌にもなった。Peterpanと言われると、まず最初にこの曲が頭に浮かぶ大ヒット曲。このアルバムはこの1曲を売るだけのために作られたと考えた方が良い。ビデオクリップも作られ現在なお放送されている。

★蓮:国民的大ヒット曲。昨年からずーっと流行っています。ビデオクリップでは花瓶で鏡を叩き割ったり、叫んだりと、恋人役のモデルの怒りっぷりが凄い。コテコテシンガー、ディデイ・クンポットが“オノオポ〜”とジャワ語のダンドゥットにカバーしてコテコテっと歌っています。

★キャ:こちらのTVやラジオでは、最近やたら流れてる曲ですね。歌詞を日本語に変えたらすんなりJ-POPになり、へたすると甲子園の入場行進に使われそうな曲です。キャッチーで良くでき ス曲なんですが・・・・・聞いてたら夜中に東京のコンビニに居るような気分になって、本当は何が欲しいのかさっぱり分からなくなりました。
■2. Mungkin Nanti

★ホ:いきなり面白くない退屈な曲。つまらないと言えばチョコラットというつまらない女性Vocバンドがいるが、チョコラットと退屈さが良く似ている。ちなみにどちらも歌が下手でしかも驚くほど売れている...。

★蓮:これも売れまくった曲。「もし後で会うことがあっても元に戻れるとは思わないでくれ」と未練があるような、ないような別れの歌。若いですなー。

★キャ:この曲のヴォーカル処理、すごくケミカルですね。ヴィヴラート表現はほとんどエフェクターによって作られていて、原音 : 処理音 が7 : 3といった比率でしょうか?中華系バラードでお得意の音処理なんですが、これはそもそも日本で生み出された手法です。ドバッと化学調味料を入れて雑味をマスキングしちゃうわけです。

■3. Khayalan Tingkat Tinggi
★ホ:オケはSheila On 7、歌い方がPadiのFadlyで民衆の心をゲットなんだろうか。ノリは良いけど音詰め込みすぎ。

★蓮:ちらっと聴いた時、Sheila On 7かと思いました。垢抜けないけど“ひたむき”なのが ピーターパンの味なのか。

★キャ:やはりPeterpanの人たちって、ものすごいJ-POPファンなんじゃなかろうか?こんなに日本臭い楽曲って一朝一夕では作れませんよ、良くも悪くも。これは明らかに「グレー」とか「ラルクなんとか」を聞きまくってる人の音ですね。
■4. Di Belakanku
★ホ:「困った時の6/8頼み(*注1)」の曲で4拍子にすれば他の曲と一緒。必然性が全く感じられない駄作。「日本の梱包商法技術(*注2)」がインドネシアにも輸入されたのか、と思うほどの過剰包装。【注1】才能の無い人がバリエーションを出すためにリズムを変えてごまかす作曲技法。【注2】:つまらない品物を綺麗な箱や包装紙で包み、販売する技術。

★蓮:不実な恋人を嘆く悲痛な歌詞、「濃い」メロディー、アリエルも通常のアッサリ風味ではなく歌いあげています。「らしくない」湿度の高い世界。
★キャ:この曲はなぜか、ちょっとインドネシアっぽいなあ。きっと言葉が曲を作ってるんでしょうね。地味だけど、アルバム中一番正直な印象でした。もしかしてバンド始めたころは、もっとこんな曲が多かったんじゃないだろうか?
■5. Kukatakan Dengan Indah
★ホ:全く全部同じ曲に聴こえてアルバム半ばにして飽きてきた。すごく癖っぽいメロディーが続く。Arielの事を好きにならない限りアルバムを続けて聴くのはツラい...。

★蓮:サビのキーワードのくり返しが、一途でひたむきな雰囲気を演出。よく耳にしたのでこれもヒットしたのですね。

★キャ:どこかへ行きたくて、でもどこへも行けないような感じがする曲。こうゆうスタイルって、日本ではおそらく氷室京介あたりがブライアン・フェリーとかから影響されて、ってのが始まりだと思うんですが、それがインドネシアに到達するとこうなるのでしょうか。「かゆいところに手が届かない」メロディー。
■6. 2 DSD
★ホ:踊れない人が「クールな俺はダンスなどしない」と言っているような感じか。曲の一番の盛り上がりは歌を止めて間奏とギターソロに任せる。これで誰でも歌えるように仕上がり、カラオケで流行るワケですな。完全にこの歌い方に飽きてきたぞ!

★蓮:この曲はレコーディングに入ってから大急ぎで作ったので、タイトルをつけられなかったとか。2 DSDというタイトルと曲には「実は何の関連もない」のだそう。

★キャ:これも4に続いてわりとインドネシアっぽい曲。なんて言われたら本人達はすごくイヤなんだろうなあ、とか思いながら聞きました。小物パーカッションの微妙な揺れのせいか、音の隙間にJ-POP的なストレス感が比較的少ないですね。個人的にはこのくらいで行ってほしいもんですが。
■7. Diatas Normal
★ホ:初めてこの曲をTVで観た時に「あらら、ヤっちゃった」と思った。「時間なかったんだろうな」と同情したくなる、1回のセッションで安易に作った曲。昔ボツになった曲を仕方なく入れた感じがしてならない。童歌のようなペントニ・メロディーで小学生もカセットを買っただろうか?

★蓮:ズンチャチャズンチャというフレーズがズンドコ節風。曲中に怪しい声が入っているらしいですが、私には分かりませんでした。

★キャ:おやおや、ちょっと息切れして地が出てきたかな?Iwan Fals的におマヌケなシンセ音が平気で使われてますね。こうゆう「ついやっちゃった」感じの曲って実力が露呈するもんですが、だとするとここのドラマー、かなりうまいじゃん。
■8. Aku
★ホ:Andikaの曲。これは「やっちゃダメでしょう」というイントロがダサ過ぎ!アレンジはロック風だが、メロディーは完全にJ-Popというか昔の歌謡曲。ジュリーとEXOTICS。「彼らはバンドではない説」を立ててみたいと思う。

★蓮:アンディカ作のシャープでロックっぽい曲。

★キャ:傾向としては1にとても近いかもしれない。曲の盛り上げ方の手法もほぼ同じ流れ。でも1に比べるとちょっと滑ったかな?ファイト一発アイディア二発。
■9. Masa Lalu Tertinggal
★ホ:これもSheila On 7。Indra作曲だが、全曲同じに聞こえるのは声域が狭いArielのせいか?もしも「Peterpanらしさ」というマニュアル本があって、それに沿って曲を作り「バンドの振り」をしているとしたら...?筒美恭平先生もびっくりだ!でも、そうであって欲しいような気もしてきた。

★蓮:地味だけれど爽やかで心に残る曲。アルバム中で一番よかった。

★キャ:アルバム中で一番メロディーに淀みがない感じがしました。これも5と同じく「どこかへ行きたくて行けない」節なんですが、曲の構成に着地点があるのが救い。それにしてもPeterpanはどこへ向かっているのだろうか?やはり渋谷なんだろうか?あるいはホンコン?
■10.Bintang Di Sorga
★ホ:アルバム・タイトル曲。やっぱり最後まで曲調は全曲同じだ。とてもレンジの狭いところで勝負しているグループだなぁという印象でこのアルバムは終わる...。それにしても倍音混ぜすぎのストリングスで気分が滅入る。1曲目からまた繰り返し聴こうという気分にはなれなかった。

★蓮:アルバムタイトルになるだけあって、完成度とスケール感のある曲。コンサートではきっと最後に演奏され(それともお約束のAda Apa Dengan Muかな)会場中がウルウルになることでしょう。日本公演はどんな感じなんでしょうか。

★キャ:しかしこのCDの評価、いまいち難しいなあ。J-POPとしてはとても良くできているとは思うのだけど。僕は最近MSGの大量に入った料理を誤って食い、二日間頭痛と吐き気に悩まされた、という経験をしたもので、彼等の音を聞くと体質的に過敏になってしまうんです。MSGって日本で発明されて世界中へばらまかれ、結果多くのデリケートな味が失われました。だから心中ちょっと複雑なんですよ。J-POPって音のMSGが大量に添加されてますから。
2005年8月号より
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