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インドネシア・ポップス
インドネシア・ポップス(I-POPS)の素晴らしさをもっと日本の皆様に知ってもらいたい!!バリ島やインドネシアと聞くとすぐに「ガムラン」「ジェゴグ」などの伝統芸能を思い出しがちですが、こちらの音楽文化はそれだけではありません。「アピ・マガジン」はこちらの若者の間で流行っている「インドネシア・ポップス」にフォーカスし、毎月アーティスト紹介や新譜紹介をしていきます。ぜひバリ島やインドネシアに来たときには、インドネシアのアーティスト達の音楽CDを購入し聴いてみてください。また新しい発見がありますよ。(言葉の勉強になるかも!?)
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蓮次郎子

蓮次郎子

インドネシアのロックと
芸能ゴシップ好きな
アピ編集部・オンチェ命ミーハー主婦。

キャンディー・甲山

キャンディー・甲山

何を思ったか、インドネシア音楽界で
デビューを目論む中年男
自称音楽デザイナー

インドネシア・ポップス > Vol.58
Anggun(アングン)
インドネシアからフランスへ拠点を移し、日本を含む世界デビューを果たした実力派女性シンガー。アングン(本名:Anggun Cipta Sasmi) は1974年4月29日ジャカルタ生まれ。12才でアルバム「Dunia Aku Punya 」でデビュー後、次々とヒットに恵まれ93年にリリースした「Anggun C.Sasmi...Lah !」がインドネシア年間アルバムチャートで1位を獲得、国民的なスターとなる。後に夫となるフランス人エンジニアと出逢い1994年に渡欧。1年後ロンドンからパリに移り、セリーヌ・ディオンを見い出した名プロデューサー、エリック・ベンジと出会いアルバム制作に入る。1997年ソニーミュージック・フランスからの世界デビューアルバム「Au nom de la lune」は、日本を含む33カ国で発売(アルバムタイトル「Anggun」)され総計100万枚以上を売り上げた。同年に来日し渋谷クアトロでライブを行っている。2000年「Chrysalis」をリリース、イタリアでのヒットを皮切りに各国で好セールスを記録した。2003年1月、フランスの文化大臣から国際的な活躍を称え「プレシャス・ダイアモンド・アワード」を授与される。同年、デンマーク映画「Open Hearts 邦題:幸せな孤独」のサウンドトラック全曲のヴォーカルを担当。2005年、 開発途上国の貧困撲滅と自立を支援する「世界小額融資年」の国連公式スポークスパーソンに任命される、同年サードアルバム「LUMINESCENC」をリリース。現在はフランス国籍。
ディスコグラフィー
●インドネシア●
DUNIA AKU PUNYA (1986年)
TUA TUA KELADI ( 1990年)
DOSA DOSAKU (1991年)
KATANYA (1991年)
KOLEKSI TERBAIK (1992年)
14 TOP (1992年)
BEST ARTIS (1992年)
DI KOTA MATI (1992年)
NOCTURNO (1992年)
ANGGUN C. SASMI...LAH!!! (1993年)
YANG HILANG (1994年)

●インターナショナル●
ANGGUN(1997年 Sony Music France):Photo01
CHRYSALIS(2000年 ):Photo02
幸せな孤独 オリジナルサウンドトラック(2003年):Photo03

●コンピレーション●
DJ Cam [Soulshine] (2002年)
Deep Forest [Music Detected](2002年):Photo04

アルバム評
【収録曲】
1.In Your Mind
2.Undress Me
3.Evil and Angel
4.Breathe In Water
5.Saviour
6.Surrender
7.Captivity
8.Cover
9.Something Sublime
10.Devil In My Mind

11.Painted
12.Human
13.Go

ボーナストラック
14.Mantra(Single Version)
15.Mantra(A Capella Version)
16.Mantra(Instrumental)
17.In Your Mind(Indian Remix)
18.In Your Mind (FBcool Extended Club Mix)

LUMINESCENCE(2005年リリース)
※写真、収録曲ともにHeben Music licensed - Universal Music Indonesiaのインドネシア発売盤。

<おすすめした人:蓮次郎子:インドネシアの芸能ゴシップとロック好きなオンチェ命ミーハー主婦>

アングンの凱旋コンサートの模様をTVで観る。90年代前半インドネシアのトップアイドルだった彼女はビキニのトップにジーンズというポルノ規制法に揺れるインドネシア的には相当ぶっとんだ格好でコンサートに臨み、インタビューに答え、インドネシアの女性の自立について意見を述べていました。英語まじりのジャカルタ弁でインタビューに答えるカブれた若手芸能人がいるけれど、それこそ英語(フランス語か)をしゃべりそうなアングンは終止きちんとしたインドネシア語を使っていました「かっちょいいー!」。で、翌日早速アルバムを探しに出かけたわけです。もともと今話題のマヤン・サリやクリスダヤンティなど王道系の女性シンガーよりもオッピー・アンダレスタ(そういえば彼女の夫も欧米人だったような...)のようなクセあり系が好きだったので、聴いてさらに「かっちょいいーー!」でした。アングンのCDは日本でも発売されています。

<おすすめされた人:キャンディー・甲山:何を思ったか、インドネシア音楽界でデビューを目論む中年男・自称音楽デザイナー>

蓮次郎子さんから「次号アングンどうっすかね?」と言われた時は、実は半分乗り気じゃありませんでした。というのも10年くらい前にフランスから発売された彼女のCDを初めて店頭で試聴した印象が、「なあんだ、煮え切らないミステリアス・エイジア路線じゃん」だったんですよ。中途半端なエニグマ路線というか。
でも一応聞いてみるかってことで、最近ハマッてるYouTubeで検索してみたら本アルバムの一曲目を発見(フランス語バージョン)......おネエさんすばらしすぎ!歌も踊りもボデーも、むっちゃええがな。いままで誤解してました、ごめんなさい。はっきり言ってほとんどの曲はこの路線じゃないし、アルバム全体としては未だ煮え切らない感じも強いのだけど、とはいえあたしはこの一曲のためにCD買ってもいいですよ、インドネシア価格なら。いつか新庄剛志が「もう、日本人じゃない」と言ったのとは全然違う意味で、アングンは「もう、インドネシア人じゃない」のかもしれない。次作ではさらにこの勢いを加速して、できればミルウェイズ(マドンナ・musicのプロデューサー)あるいはM.I.A(知らない人はググッってね)あたりとタッグを組み、きっちりアメリカのタマを取ってきてほしいもんだと思いました。
曲評

Title: In Your Mind
:これ大傑作曲!マドンナの "music" で静かに表明されたアラビック・グルーヴの台頭が、遂にアングンのぶっといチョコレート声によって成就した、っていうくらいのもの。

★蓮
ため息も歌の一部になっているアングンのド迫力セクシーボイスとドンガドンガドンガというパーカッションが禁断のツボを刺激する思いっきりアラビア風味の妖しく扇情的な(歌詞も)ナンバー。
 
Title: Undress Me
★蓮:過剰な劇的さやウエットな情念の野暮ったさがフレンチポップスの魅力だと私は思うのですが、さすが「私はエモーショナルの使者」と自分で言ってしまうアングン、はまってます。ロック歌ってたのがウソのよう。

★キ
あれれえ〜、緩急自在な彼女はやっぱり悪女?あたしからはぎ取って、自由にして、って何を?ま、それはともかく曲はちょっと平凡なDewaの捨て曲っぽい感じだな。声で救われてる曲。
 
Title: Evil and Angel
★蓮:昔のマドンナの曲みたいなバックのピコピコサウンドが妙に気になる...フランスってこういうのアリなのね。キムタクが何を演じてもキムタクなように、何を歌っても「アングン」なのが凄いです。

★キ:こうゆう曲聴くと、やはり彼女はメジャーコードのストレートロック系向いてないんじゃないかと思う。もちろん人一倍ばっちり歌えるんだけど、どこか個性と乖離している感じがするのだ。あるいはこの手の曲歌わせるには、彼女ちょっと気品ありすぎるのかもしれない。。
 
Title: Breathe In Water
★蓮:前半のアコースティックギターとストリングスから後半のザワザワした不安な感じのエニグマみたいな盛り上がりが劇的でスケールの大きな曲。ほんっとにアングン歌上手いなあ、と感動させられます。

★キ:アルバムの流れとしては、2曲目からここに飛んだ方が良かったかも。ちょいサントラっぽい匂いのする、悪くない曲。とはいえMassive Attackのマネしたもののって感じの、いかにもフランスっぽいボトムの弱い音作りが、どうしてもアングンの声に負けてしまうんだよなあ。
 
Title: Saviour
★蓮:サビ前のモタっとしたテンポに一瞬だけロリータブームの頃のフレンチポップスを懐かしく思い出します、が、貫禄たっぷりのアングンの歌いっぷりはフレンチロリータとは対極。これはこれで全然違う魅力を持った曲になっています。

★キ:すんごく歌謡曲っぽいけど、これはアルバムで2番目にいい曲かもしれない。声と曲の比重が釣り合ってますね。別タイトル(Mantra)でインドネシア語ヴァージョンもあって、そちらの方がさらに言葉と曲のからみが良いです。
 
Title: Surrender
★蓮:欧州風味のフェミニンな雰囲気を出そうと、声音を変えて歌っているような感じ。セクシーダイナマイトため息ボイスのアングン姐さんにナチュラルとか可愛げを求めるのは無理があると思われ。

★キ:セリーヌ・ディオンが歌いそうな曲。スローでけっこういい仕上がりなんだけど、とはいえ彼女の声にある独特の温度感に、どこかなじまない違和感もあるなあ。案外いまどきのジャカルタのクリエーター(留学経験アリ)が作りそうな世界だな。
 
Title: Captivity
★蓮:もし街角でこの曲を耳にしたら「誰の何ていう曲かな」とちょっと気になるような聞きやすさがあります。ハイテクなキャッチーさというか、うまく説明できない妙な心地よさがある曲。結構好きです。

★キ:これも前曲に続き、いまどきのジャカルタ風、というよりむしろJ-pop職業アレンジャーによるCMタイアップ曲featuring ダイアナ・キング、って感じ。つまり歌手と裏方の釣り合いが取れていないんですね。もったいないなあ。。
 
Title: Cover
★蓮:インドネシアの凱旋コンサートでこの曲歌ったんだろうけど観客の反応はどうだったのかな。温度が全然違う私のようにミーハーな観客は退屈で困ったんじゃなかろうか。

★キ:しかしあの一曲目の飛び抜けて強力なウネリは、一体どこへ行ったんだ?どうやら一曲目を仕切ったFBcoolというやつは、他の曲には全然タッチしていない。別の曲ほとんどは、ジャンピエールなんとかというフランス野郎の仕切りみたいだ。FBcoolを出せ、ジャンピエールは引っ込め、と言いたい。
 
Title: Something Sublime
★蓮:中途半端なフレーズも繰り返すとサビになるのね。歌詞はアングン自身の歩みを歌っているようですごくいい感じなのにな。

★キ:あらためてアングンの歌のうまさには脱帽しますね。だってこんな捨て曲でさえ、どうにか聴かせてしまうんだから。彼女のお父さんは、Dart Singoという有名な歌手だそう、彼女自身早くも7歳にして、初アルバム(童謡の)を吹き込んでいたのでした。
 

Title: Devil In My Mind
★蓮:Cover同様印象の薄い曲。スキップボタンに伸びる手を押さえて「聴かなきゃ曲評書けないっしょ!」と無理矢理聴きましたが全然つかみどころがなくメロディーが頭に入って来ない...これもこの曲の特徴かな。

★キ
ここからHumanまでは、どうしても気持ちが入らないのでパス。別の言葉で言えば、「歌わせられてる」彼女が透けて見えてしまう。たとえばこうゆう曲だったら、大黒摩季みたいな人に歌わせればいいんじゃなかろうか。
 
 

Title: Painted
★蓮:お、アメリカのロックっぽいな、と思ったけど何かが違う....サウンドに厚みがないからかな。ロックっぽく歌っているアングンが気負っているように聴こえてしまってもったいないです。
 
 

Title: Human
★蓮:うわ、なんだこの恥ずかしいイントロは!タカタカトンってドラムもピョイ〜ンっていうギターも100万年ぶりに聴いたんですけど。とどめは三味線みたいなペコペコ音と拍手音!これ新曲ですよね?フランスってフランスって...。(とリピートボタンを押してみる)
 
 

Title: Go
★蓮:アコースティックギターだけで弾き語るような曲でアングンのヴォーカルの魅力がバッチリ出てます。アングンほど実力のあるシンガーはそうそう出ないでしょうがこれからは「国外へ才能を持っていく」のもアリなんでしょうね。

★キ
アルバムの最後にふさわしく、アングンの実力一本勝負って感じの聞き込める佳曲。無駄な音を使わず、彼女の声にフォーカスしてるのがとても効果的。もっとこうゆう曲が多くてもいいのにな、彼女のアルバム。
 
2006年7・8月号より
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