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インドネシア・ポップス
インドネシア・ポップス(I-POPS)の素晴らしさをもっと日本の皆様に知ってもらいたい!!バリ島やインドネシアと聞くとすぐに「ガムラン」「ジェゴグ」などの伝統芸能を思い出しがちですが、こちらの音楽文化はそれだけではありません。「アピ・マガジン」はこちらの若者の間で流行っている「インドネシア・ポップス」にフォーカスし、毎月アーティスト紹介や新譜紹介をしていきます。ぜひバリ島やインドネシアに来たときには、インドネシアのアーティスト達の音楽CDを購入し聴いてみてください。また新しい発見がありますよ。(言葉の勉強になるかも!?)
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蓮次郎子

蓮次郎子

インドネシアのロックと芸能ゴシップ好きな
アピ編集部・オンチェ命ミーハー主婦。

キャンディー・甲山

キャンディー・甲山

インドネシア無宿、東京では引きこもりの中年男。近頃年のせいか早起きになりました。

インドネシア・ポップス > Vol.64
バリ島番外編 Joni Agung & Double T (ジョニ・アグン&ダブル・ティー)

バリ島インディペンデントバンドご紹介の締めは、巨体&ドレッドヘアが度迫力のゴッドファーザーJoni Agung率いるバリ語レゲエバンドJoni Agung & Double T。メンバーのJoni Agung(Vo)、Mayun(Key)、Dek Alit(G)、Tilem(Bass)、Cetu(Dr) は、2002年のアルバムリリ−ス前からすでにライブを通じて地元ファンはもちろん、観光客や在住欧米人の人気も獲得いていた実力派。2005年12月にリリースした「Melarung」はバリ島と周辺地区でインデペンデント・レーベルとしては驚異的なヒットを記録。バリ語で歌われる歌詞には、独特のユーモアとともに急激な変化にさらされているバリの社会に対するメッセージや風刺も込められている。2007年2月最新アルバム「Pul Si No Ge」をリリース。クラブやバーでのライブや他のミュージシャンとのコラボレーションなども精力的に行っている。

ディスコグラフィー
ジョニ・アグン&ダブル・ティー

<Joni Agung & Double T ディスコグラフィー>

2004年  REGGAE MEBASA BALI:レゲエ・ムバサ・バリ

2005年 MELARUNG:ムラルン

2006 ALBUM PUL SI NO GE:プル・シ・ノ・ゲ

<参加アルバム>
Superman Is Dead 「Kuta Rock City」2003年


アルバム評
Melarung

Joni Agung & Bouble T おすすめアルバム
Melalung ムラルン
(2005年 Pregina Production)


1. Melarung:裸んぼう
2. Nuutin Jaman:時代は流れて
3. Jero Gede:ジェロ・グデ
4. Jani:Now
5. Rare Angon:子供の子守り
6. Paid Bangkung:女性にだらしない男性の蔑称
7. Sere Panggang Sere Tunu
:煮ても焼いても食えない奴
8. Tresna Sujati:真実の愛
9. Kuang Kejokan:足りないよ
10. Hidup Di Gumine:地上の生活

Pul Si No Ge

<聞いた人その1:キャンディー・甲山:インドネシア無宿、東京では引きこもりの中年男。近ごろ年のせいか早起きになりました。>
バリ好きの人なら、誰しもとっておきのスポットがありますね?僕の場合はカフェでもビーチでもなくて、サヌールにある小さな音楽スタジオ"Pregina"です。まわりは普通の住宅地だし、これといって名物があるわけじゃない。とはいえ、なあんとなく気持ちいいヴァイブがあるんですね。そんなわけで、用もないのについつい足が向いてしまう、というわけ。
スタジオ正面のガゼボ(というか、バリ民家にありがちな縁台)に座ってコピなどすすっていると、三々五々にイイ感じの人たちがやってきます。そしていかにもバリらしいノンキな笑い話が始まる。しばらくするとスタジオの中から「おーい、そろそろ始めようか」という感じでお呼びがかかり、彼等は「よっこらしょ」といういう感じで腰を上げる。
今回ご紹介するのは、そんな彼等の音楽。バリのローカルレーベル・Pregina Productionsの看板アーティストたちです。レーベルの総帥・マントラ君は柔和な表情とは裏腹に「バリの音楽をなんとかせにゃならん」と、東国原知事さながらに語る熱血漢。初代Balawan & Batuan Ethnicのドラマーにして、現在はビデオ・テレビプロダクションも経営する、次世代バリニーズ・カルチャーを担う多才なリーダー。というわけで、ここのスタッフたちも、多少ずっこけてはいるものの、やるときゃやるぞ、な心意気がたっぷりです。
さて肝心の音楽ですが、かたやロック系・かたやレゲエ系と分かれるものの、両者に通底しているのは強力なナゴミ感。言葉を替えれば脱力感なんですが・・・・・いえいえ、決して手抜きもしていないし曲もユニーク。もっとうまい形容はないのだろうか?そうそう、これはカフェやクラブじゃなく、まさにローカルワルンのための、ロックでありレゲエなんです。今までともすれば、カシオトーンでピコピコ・ワンパターンに陥りがちだったポップ・バリの世界に、はたして彼等は風穴を開けられるのか?俺は応援してるゼ!

<聞いた人その2:蓮次郎子:インドネシアの芸能ゴシップとロック好きなオンチェ命ミーハー主婦>
バリのローカルTV番組に「クリップ・バリ」という音楽番組がありまして、ジャイ子みたいな女の子が読経のような歌いっぷりで童謡を歌い踊るもの凄いプロモーションビデオの連発を耐え忍べばたまーにですが、前回ご紹介したLOLOTや、Joni Agung&Double Tのような「おっ!」という珠玉のプロモビデオを観ることができます。今回ご紹介するのはバリ語レゲエの旗手(ってか他にいないでしょうたぶん)Joni Agung&Double Tの 2005年の島内大ヒットアルバム&比較的お店で手に入れやすい「Melarung」です。レゲエとバリ語の相乗効果がなせる技なのか超強力な脱力効果を持つこのアルバム、あらゆるビジネス・シーンのBGMにまったくおすすめできません。通行車両の少ない見晴らしのいい海沿いの直線道路をのんびりと走りながら聴く、というのがピッタリくるのではないかと思われます。とはいえJoni Agungの声、モロにバリのおじさんの声なんですが、レゲエにのるとこれが渋い!マキシ・プリーストのClose to Youなんか歌っちゃった日にゃブレのおねえちゃんも一撃必殺でしょう。サヌールピーチで行われたアルバムラウンチング・ライブでは、もの凄いTバック&ヒモビキニのブロンドドレッドヘアの麗しい欧米人追っかけ(?)ギャルたちが地元ファンに混じってカッチョよく踊っていましたが、それもまた何となく納得がいくJoni Agung&Double Tです。

曲評

■1. Melalung
:「裸んぼう」かあ〜、Joni Agung本人のキャラそのままやんけ。ルーツ・レゲエのバリ解釈を追求する彼等の脱力世界が、いきなり炸裂してまっせ〜!「マラルンルン ラギラガマラルン」のフレーズが頭にグルグル反復して、もう今日は会社休んじゃおうかなあ〜、モードになっても知らないよ。
 
■2.Nuutin Jaman

スッチャカスッチャというレゲエなバリポップスサウンドにのせて「ワルンで飯のついでに飲んでたコーヒーも今じゃカフェでおしゃべりがてらときたもんだ」と今時のバリの日常を歌っています。「デ〜ワ〜ラトゥ、デ〜ワラトゥ(Oh my godくらいの意味か)時代に合わせていこう、大事なのは喧嘩しないことさ」ノそう言っちゃったら何でもそうだよノ。ゆる〜い中に急に入る間奏のピアノがかっこいいです。

 
■3.Jero Gede
バリ・レゲエというジャンルがあるとしたら、それはまさにこの曲のことでありましょう。どことなく哀愁ただようメロディにバサ・アルス(バリ丁寧語)の歌詞がばっちりはまってます。
*ジェロ・グデはヒンドゥー寺院を守る僧侶の敬称で、この曲中では民衆を導く人=政治家の寓意、政治的への風刺が込められた曲です。たぶん。
*補足:アピマガジン編集部デザイナー:グデ
 
■5.Rare Angon
★甲:ある日用も無くPreginaに行ってみると、ちょうど彼等がレコーディング中。「なんかひとつ足りないんだけんど、なんかアイディア出してくんろ」と言われたあたしは、ついつい調子に乗り、エフェクトめいっぱいでギター乱れ弾き。よっしゃよっしゃ、ということで夕飯をごちそうになり、ビーチに浮かぶ満月に、しばし(いつもだが)時間を忘れたのだった。これぞ理想のアイランド・ライフだよなあ、と実感したあの日、思い出の一曲でした。
 
■6.Paid Bangkung
「お父さんは遠くで仕事してるのよ」と母親に言われて育った子供が大きくなって訳が分かるようになり、父親が「他の女性とどっかに行っちゃったどうしようもないPaid Bangkung」だったと知る、というシビアな内容。そういうことじゃいかんよというメッセージが込められているのでしょうが、説教臭さはみじんも感じられない底抜けにノーテンキな曲です。
 
■7.Sere Panggang Sere Tunu
★甲:これまた強力脱力系。せっかくMelarungから気を取り直して通勤快速に乗ったのに、ヘッドフォンから流れる「ポピアンカ ポピアンカ ポ」の反復によって、またぞろ社会人がくじけそうになったあなた。今日はあきらめて東海道線に乗り換えてください。ビーチまでたったの一時間です。
 
■8.Tresna Sujati
★蓮:チャンディダサあたりの田舎のビーチのさびれたカフェのカウンターに座ってぬるい潮風にあたりながらボケ〜っとしている骨抜き状態の午後3時、傍らにはグウグウ眠るバリの犬、今日も明日も予定ナシだあ、やることがないなあ〜といった超強力脱力効果をTPOに関わらず、ご自宅でも会社でももれなく発揮してしまうであろう「ニョマンちゃんに捧げる」珠玉のラブソングです。「おいらゲンバル(ラスタヘアのこと)は好きだけどゴンバル(いい加減な嘘)は嫌いだよ〜」。シャレなんだか口説いてんだかよくわからないけど悪い人ではないみたいね、な線ですな。
 

■10.Hidup Di Gumine
:イントロに流れる奇妙な自作効果音をはじめ、LOLOTのデニー君が隠れたプロデュース能力を発揮した曲。世界にユルいレゲエは数々あれど、ここまで激ユルなのは珍しいぞ。はっきり言って運転中は避けた方がいい彼等の音楽、最初に聞くと腰くだけ、3回聞くと口元がゆるみ、5回目に鏡を見ればあら不思議、そこに映るあなたの顔はもう紛れも無く、立派なバリニーズじゃあーりませんか。ほな、ワルンにでも行きまひょか。
 
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