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インドネシア・ポップス
インドネシア・ポップス(I-POPS)の素晴らしさをもっと日本の皆様に知ってもらいたい!!バリ島やインドネシアと聞くとすぐに「ガムラン」「ジェゴグ」などの伝統芸能を思い出しがちですが、こちらの音楽文化はそれだけではありません。「アピ・マガジン」はこちらの若者の間で流行っている「インドネシア・ポップス」にフォーカスし、毎月アーティスト紹介や新譜紹介をしていきます。ぜひバリ島やインドネシアに来たときには、インドネシアのアーティスト達の音楽CDを購入し聴いてみてください。また新しい発見がありますよ。(言葉の勉強になるかも!?)
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蓮次郎子

蓮次郎子

インドネシアのロックと芸能ゴシップ好きな
アピ編集部・オンチェ命ミーハー主婦。

キャンディー・甲山

キャンディー・甲山

インドネシア無宿、東京では引きこもりの中年男。近頃年のせいか早起きになりました。

インドネシア・ポップス > Vol.65
Vol.21 GIGI(ギギ)

インドネシア・ロックのメインストリームの頂点を走り続けるベテランロックバンドGIGI。若者から30〜40代の元若者に至るまで、幅広い層から熱狂的に支持され続け、その疾走するロック魂は結成13年目を迎えた今もますます熱く加速している。1994年、当時のインドネシアでは驚異的なヒットとなったデビューアルバム「Angan」でデビュー。以降コンスタントにヒットを放ち続ける。海外公演も行っており、日本を含めた国外にもファンが存在する。デビュー当初からのメンバーは、インドネシアが誇る名ギタリスト、デワ・ブジャナ(G)、独特の歌声とステージパフォーマンスの モバンドの顔モ アルマン・マウラナ(Vo)で、その後、数度のメンバーチェンジを経てトーマス・ラマダン(B)、若手のグスティ・ヘンディ(Drm)が参加。デワ・ブジャナはソロ活動にも積極的で、ソロアルバムのほか、ジャズギタリスト トーパティとのギターユニットTRISM(トリズム)にバラワンをフィーチャーしたり、出身地であるバリとヒンドゥー教をテーマにしたコンピレーションアルバムなどもリリースしている。今回ご紹介するGIGIの最新アルバム「Peace Love'N Respect(2007年)」は実に通算16枚目、収録曲の「Nakal」「Matikan Cintaku」がシングルヒット中。

ディスコグラフィー
Gigi, Peace, Love'N Respect

Angan 1994年
Dunia 1995年
3/4 1996年
2x2 1997年
Kilas Balik 1998年
Baik 1999年
The Greatest Hits Live 2000年
Untuk Semua Umur 2001年
The Best Of GIGI 2002年
Salam Kedelapan 2003年
Ost. Brownies 2004年
Raihlah Kemenangan 2004年
Raihlah Kemenangan(Repackage) 2005年
Next Chapter 2006年
Pintu Sorga 2006年
Peace, Love'N Respect 2007年


アルバム評
Peace, Love'N Respect

GIGI最新アルバム
PEACE, LOVE'N RESPECT
(2007年)


1. Nakal:不品行・不道徳
2. 11.Januari:1月11日(*出会った記念日)
3. Kagum:
4. Matikan Cintaku:僕の愛を止めて
5. Cinta Palsu:偽りの愛
6. Untukmu:君のために
7. Tuk RasaノTuk Cinta:感じるためノ.愛のため
8. Romansa yang Hilang:消えたロマンス
9. Percayalah:信じてくれ
10.Kembalilah Kasih:愛を戻して

Gigi Live

<聞いた人その1:キャンディー・甲山:インドネシア無宿、東京では引きこもりの中年男。近ごろ年のせいか早起きになりました。>
GIGIというバンドを自分なりの印象で形容するならば、「インドネシアで最も端正なバンド」でしょうか。しかもその端正さの稜線は、アルバムを重ねるごとによりクッキリとしてくる。思うに音楽的リーダーのデワ・ブジャナは、世界のどこかにそびえ立つであろう巨峰「パット・メセニー山」の頂きを、ジャズではなくロックのイディオムで登攀しよう、という決意でGIGIを始めたんじゃなかろうか?そしてこの最新アルバムは、そんな彼等の目論見が以前にも増して白日の下にさらされていて、かなりニューエイジな方向性すら感じてしまいます。ちなみに蓮次郎子さんのダンナ様は、お顔といい静かなたたずまいといい、ほぼ本物のデワ・ブジャナじゃないか?というくらいにそっくり。声まで似ています

<聞いた人その2:蓮次郎子:インドネシアの芸能ゴシップとオンチェ命のミーハーメタボ主婦>
PEACE, LOVE'N RESPECTノ?間にUNITIYが挟まったらSLANKのアルバムと同名ですが?頻用されるってことはインドネシアではこの言葉に対する特別な意味でもあるのでしょうか。とはいえこのアルバム、2枚組ベスト盤並みに凝った作りの渋いカバーデザイン+Rp.4万5000の価格設定からも気合いと自信が伝わってきますよノどれどれ曲はノあれ、アコースティック系?スンナリ耳に入ってくる&ハッピーな曲ばかりノあ、これいい曲だなあ、次のもいいなあノと、聴き終わってみるとハズレ曲なし。アルマンのエンタ系ステージパフォーマンスのイメージは払拭しておかないと置いて行かれちゃうな、と感じ入った名盤。ギターサウンド好きの方へのプレゼントにもおすすめです。

曲評

■ 1.Nakal
:パナス、パナスというリフレインが印象的な曲。一見激しい曲なのに、実はロックにありがちな激しいディストーション・ギターが一切使われていないのは、やはりデワ・ブジャナのサウンドに対するこだわりのなせるワザと見た。めくるめく曲展開にもかかわらず、とても冷静で分析的なこのバンドの個性が打ち出されていますね。
 
■ 2.11 Januari

:以前発表された彼等のサントラ・アルバム "Brownies" の延長戦上にあるサウンドというべきか、アルマンのヴォーカルがひときわくっきりと打ち出された佳曲。はっきり言ってメロディーは多少ありきたりの感がぬぐえないけど、それすらもイヤミに聞こえないのは彼等の実力の証なのでしょうね。何回も聞いていると、だんだんこの曲を好きになってしまう自分が、ちょっと恥ずかしい。

 
■ 3.Kagum
ベーシストのトーマス作。ギターの繊細な旋律と空を飛ぶような広がりのあるサウンドが強く印象に残る美曲。中盤・後半に挿入されるエモーショナルな展開と後半の間奏に入るクラシックギター風のソロがかっこいい。
 
■ 4.Matikan Cintaku
★甲:ベーシストのトーマス作曲の、ちょっと若々しいロックな曲。しかしここでもデワ君はかたくなにディストーションを拒否するのであった。このバンドのロックらしさは実に、このトーマス君のたぐいまれにどっしりしたベースによるところ大なのだな、と改めて気づかされる一曲。
 
■ 5.Cinta Palsu
★甲:ついつい「ブラッバード シングス インザ デッドオブ ナーイッ」と一緒に歌いだくなるような曲ですけど、間奏のパット・メセニー的展開にはっ、とさせられて、その後曲キャラが微妙に変化しておりますね。実はこの後エンディングまでドラムを全部抜いて、アンプラグド風味にしちゃってる。こうゆう微妙で端正な遊びの堆積こそが、このアルバムのキャラ自体を特徴づけているのでは?
 
■ 6.Untukmu
★甲:うーん、つくづくGIGIはスキが無さ過ぎる。この曲なんてとても良くできた曲で、しかも何回も聞いちゃうにもかかわらず、どうしても冗談のひとつも書けないのだ。たぶん彼等の音楽は、僕にとって立派すぎるのかもしれない。デワ君の旧友インドラ・レスマナの音楽性にもそれを感じるけど、ついつい聴き手をして襟を正させてしまうようなところが、彼等の音楽にはある。
 
■ 7. Tuk RasaノTuk Cinta
★蓮:これもまたヘンディ作のハッピー系かつ切ないジェットストリームみたいな曲(意味不明)。アコースティックギターのみの前半から目の前が開けるようなアップテンポなサビへ。ノリのいいサビ&エモーショナルな別れの歌詞をここぞとばかりに歌いあげないで押さえ気味にきっちり聴かせるアルマンのヴォーカルが余裕かましていていい感じです。
 

■ 8.Romansa yang Hilang
:ヴォーカルのアルマン作のこのバラッドは、まるで過去の激情を冷凍保存したような味わい。恋人にするならオンチェ、ダンナにするならアルマン、というような安心感をかもし出してますね。個人的には「ビチャラン ラサ サヤンム パダク」の後のスーッという息継ぎ音(1分36秒)が耳について離れない。こうゆうビミョウすぎる演出ってBabyfaceとかがよく使う手ですけど、インドネシアじゃあまり他に見当たりませんよ。

■ 9.Percayalah
:アルマン作の70年代っぽい雰囲気の漂う曲。ファンの方には「何を今更」と鼻で笑われそうですが、このアルバムを聴くまで、アルマンがこんな渋いボーカリストだとは思っていませんでした。あのド派手なステージパフォーマンスが彼の真骨頂なんでしょうがそれで損もしているのではないかなあ。後半の間奏の効果音?が無性に懐かしいのですが、これって何だっけノ。

■ 10.Kembalilah
:デワ君はこのアルバムで、ついに一度もあからさまなディストーション・サウンドを使わなかったみたいだ。それクサイのは7曲目の、しかもアコギのみ。だいたいバンドやろうぜ、って時にほとんどの人がギターとともに購入するエフェクターの筆頭であるディストーション。それをあえて使わないところにも、彼等の「パット・メセニー山」的方向性が象徴的に示されている、そんなふうに思えてなりません。この曲のエンディングのピアノなんて、まんまLyle Maysですもんね。
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